あるくにのおじいさんのおはなし(第2話)
A old tale about an oldman in a feudal domain (part 2)
むかしむかしあるところに,すんでいたお(ふ)じいいさんのお話のつづきです.
ご家老さまにだいこんだけをそだてなさい,と言われたおじいさんでしたが,
ご家老さまには内緒で,こっそりとほかのさくもつをそだてたり,そだてかたをまとめたりしていました.
いっぽう,ご家老さまに3Dのめんどうをみるように言われたたごさくは,おもに3Dの儲け方を考えるようになりました.
しかし3Dで儲けるうまい知恵が浮かびませんでした.
このことでたごさくはしばしばおじいさんに相談をし,おじいさんも相談に乗っていました.
あるとき,こまっているたごさくに,おじいさんがしている今の仕事のひとつを話してあげました.
それは,みんなが上手に3Dを育てられるように,育て方を共通化しようとしていることでした.
これはのちに“ふぁぶ”と呼ばれたものでした.
このはなしに田吾作はのってきました.
たごさくは“ふぁぶ”で儲けるやりかたを考えはじめました.
おじいさんが考えていた“ふぁぶ”の活かし方は,たごさくとは違っていましたが,それでもたごさくをあたたかく見守っていました.
そんなある日,たごさくはお殿様から別の仕事を命じられ,このくにをはなれることになりました.
(ご家老さまは知らなかった,と言っていましたが)
たごさくのやっていた仕事をひきつぐ別な人が次々とやってきましたが,
つぎにひきついだ孫六は,すぐに海の向こうのくにへ行くことを命じられ,
その次に来た又七もしばらくするとこの国を出て行きました.
おじいさんがそだて方をまとめたものは,その後JIS(じいさんの育て方)となり,
いろんなくにの人が見て,参考にすることができるようになりました.
しかし,おじさんもやがてこのくにには残らず,去って行きました.
このくにはこういうチグハグなことを今もしているのでしょうか.