あるくにのおじいさんのおはなし
A old tale about an oldman in a feudal domain

むかしむかしあるところに,お(ふ)じいさんがすんでいました.

おじいさんがすんでいたくには,稲作でとても豊かでしたが,さいきんは稲作ではもうけが少なくなってきました.
そこで,このくにでは稲作にかわる新しいさくもつやしごとをみんなで捜すことになりました.

おじいさんは,むかしからのはたけしごとがいかせる
だいこん(Daikon),だいず(Daizu),だいだい(Daidai)の,いわゆる3Dをうえて育てようと考えました.

おじいさんは,土地のようすやばしょを考え,そこにふさわしい種をまきはじめました.
おじいさんのくにのとちでは実らないさくもつや,
育て方がわからないさくもつは,ほかのくにのひとといっしょにやることにしました.

ある日,あるさくもつが芽をだしてきました.

おじいさんはこれらのさくもつをどうやって大きく育て,どうやって売ろうかもかんがえていました.
そんなとき,おじいさんはご家老さまによばれました.
ふだんからお殿さまには新しいさくもつのことをいろいろはなしていたし,さんせいしてもらっていたので,
きっとご家老さまもほめていただき,ほうびをくださるものだと思っていました.

そしたらご家老さまはおじいさんにむかってこう言いました.
「おまえはこのさくもつの花が咲き,実がなるまでこのくににはいないだろう」
「だからこれらのさくもつの世話をしなくて良い.これらさくもつのせわはわかいたごさくにまかせる」
と.
「おまえはたごさくのしたでだいこんをそだてることだけめんどうをみてくれ」
と.

おじいさんはがっかりしました.

そのご,このさくもつはどうなったでしょう,このくにはどうなったでしょう.


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